■  美味しさの秘密とアミノ酸



グリシン、アラニンなどは甘味、バリン、ロイシンなどは苦味、そしてアスパラギン酸やグルタミン酸には酸味とうま味があります。ひと口に苦いアミノ酸といっても、バリンには多少甘味もあります。グリシンやアラニンの甘さは、砂糖の甘さに比べるとさっぱりとしています。それぞれの味をもったアミノ酸の組み合わせが食べ物の味を決める重要な要素になっています。グルタミン酸がうま味成分であることが発見されてから、アミノ酸と味との関係を探る研究がすすめられてきました。食べ物に含まれるアミノ酸を測定してみたところ、私たちが感じる味は、そこに含まれているアミノ酸の種類と量に大きく関係していることがわかりました。

ズワイガニの味の正体は、ほんの数種類のアミノ酸と核酸、ミネラルです。アルギニンは苦いアミノ酸ですが水産物らしい風味をひきだし、グルタミン酸のうま味はカニらしさを演出するなどそれぞれに役割を担っています。ウニの味はおもに5つのアミノ酸。この5種類を実際のウニと同じ割合で混ぜると見事にウニの味を再現できます。メチオニンはとても苦いアミノ酸ですが、ウニならではの味の決め手。ウニからメチオニンを除くと、エビやカニに似た味になってしまいます。

これらの食品の美味しさの秘密も、タンパク質の分解により生ずるペプチドや、アミノ酸に、深く関係しています。製造の主役は微生物です。それらが生産するプロテアーゼが、タンパク質を分解し、美味しさを生成しているのです。ペプチドやアミノ酸は、美味しいばかりでなく、薬理機能や体の代謝調節機能なども担っています。発酵食品は、アミノ酸、ペプチドの宝庫であり、我々研究者にとっても、宝の山です。


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